MotoGP ドゥカティ イタリアGP
2019 MotoGP第6戦のイタリアGPが、6月2日にムジェロ・サーキットで開催され、Mission Winnow Ducatiチームのダニロ・ペトルッチがMotoGP初優勝を遂げた。チームメイトのアンドレア・ドヴィツィオーゾは、3位でチェッカーフラッグを受けた。ペトルッチとドヴィツィオーゾのタイム差は、わずか0.3秒だった。

ドゥカティは、ホームグランプリとなるムジェロ・サーキットで、2017年のドヴィツィオーゾ、2018年のホルヘ・ロレンソに続いて3年連続で優勝を飾り、ドゥカティのグランド・スタンドを埋め尽くした大勢のファンに声援に応える最高の結果を出した。

1列目からスタートしたペトルッチは、すぐに首位グループに加わった。3列目から猛烈なスタートダッシュを見せたドヴィツィオーゾは、3番手でターン1に進入、こちらも首位グループを走行した。ふたりは最後までこのグループで争い、何度かオーバーテイク合戦を繰り広げた。最終的には、優勝の可能性があるライダーは、彼らを含めた4人に絞られた。ペトルッチは、最終ラップにマルク・マルケス(ホンダ)、ドヴィツィオーゾとの三つ巴の激しいバトルを制して、MotoGPキャリア初勝利を飾った。2位に入ったマルケスとのタイム際は、わずか0.043秒差だった。ワイルドカード参戦したミケーレ・ピッロは、腕の負傷による問題を抱えながらも力強い走りを見せ、レース後半にポジションを大きく挽回して7位でフィニッシュした。

ダニロ・ペトルッチ(Mission Winnowドゥカティ・チーム #09) 1位
「ずっとこの勝利が欲しかった。ライバルのペースがそれほど過激ではないとわかったので、首位グループの中でも何とか自分のリズムを維持することができた。自分には、優勝を狙う絶好のチャンスだと言い聞かせた。レースをリードしながら、ペースをコントロールしようとした。とにかくバトルに巻き込まれて一気にポジションを落とすリスクは避けたかった。全力でアタックするのではなく、巧みにペースをコントロールして、最後のダッシュに備えてエネルギーとタイヤを温存した。最終ラップのストレートエンドでは、スリップストリームにつかれると思っていたが、ぎりぎりまでブレーキングを遅らせて、アンドレアとマルクのインにわずかな隙間を見つけて、ポジションを取り戻すことができた。その後はチェッカーまで全力でプッシュするだけだった。この優勝をアンドレアに捧げたい。彼は、ウインター・テストから僕を暖かくチームに迎え入れて、数多くの貴重なヒントをくれた。これからも、ふたりでチャンピオンシップを目指して戦いたい」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(Mission Winnowドゥカティ・チーム #04) 3位
「ここムジェロではいつものことだが、今日も本当にエキサイティングなレースだった。最終ラップまで、プラン通りにレースを展開することができた。素晴らしいスタートを切って、タイヤを温存するために良いポジションにつくことができた。先頭グループでは何度もオーバーテイクがあったものの、一貫してトップ3を維持できた。最終ラップのターン1でトップに立つ計画だったが、接触を避けるためにバイクを起こさなければならなくなり、ポジションとポイントを落としてしまった。これに関しては少し残念だが、ダニーロが優勝して本当に嬉しい。彼は、優勝するにふさわしい走りをしていた。本当は1-2フィニッシュをしたかったが、マルケスはこのサーキットでも非常に速かった。今週末は、前半に少し手こずったが、決勝レースでは最後の最後まで戦闘力を維持することができた。これに満足せずに、さらにマシンの開発を進めたい」

ミケーレ・ピッロ(Mission Winnowドゥカティ・チーム #51) 7位
「なにより重要なことは、このムジェロで3年連続して優勝できたことだ。これは、決して簡単なことではない。僕にとっては、今日のレースは少し残念な結果となった。デスモセディチGPの戦闘力は非常に高かったのだが、レース序盤に腕の問題を抱えてスローダウンせざるを得なかった。その後は、冷静になるように心がけて、7位までポジションを上げることができた。昨年、このサーキットで大クラッシュしてからは、チームの協力を得てここまで来ることができた。もう少しで100%のコンディションに戻せる自信もある。これまで支えてくれたドゥカティに感謝したい」

クラウディオ・ドメニカーリ(ドゥカティ・モーター・ホールディングCEO)
「優勝はいつでも素晴らしいが、ここムジェロでの優勝には本当に特別な意味がある。ムジェロは、私たちにとってホームレースであり、このサーキットには、従業員をはじめとして、何千人もの情熱的なドゥカティスタが観戦に詰めかけ、私たちに大きな声援を送ってくれる。ラスト数周まで、4台のマシンが、優勝をかけて激しい戦いを繰り広げていた。今日はダニーロがわずかに優勢だったようだが、ドゥカティのファクトリー・ライダーはふたりとも優勝をかけて最後の一瞬まで戦っていた。今日の勝利には、アンドレアも大きく貢献していたと確信している。彼は、ペトルッチの高いポテンシャルをいち早く見抜いて、暖かくサポートして、素晴らしい仕事を続けてきた」

ルイジ・ダッリーニャ(ドゥカティコルセ・ゼネラルマネージャー)
「私たちが成し遂げた仕事を誇りに思う。ここムジェロに集結した数えきれないほどのドゥカティ・ファンの目の前で、3年連続して優勝することができた。まさに夢が現実となった。ダニーロのパフォーマンスは圧倒的だった。特に最終ラップのターン1で見せたオーバーテイクは素晴らしかった。彼のホームレースで、MotoGPキャリア初勝利を挙げることができて、本当に嬉しく思っている。アンドレアに関しては、チェッカーフラッグを受ける前にマルケスをパスできなかったのは残念だった。それでも、見事なレースを見せて、表彰台という素晴らしい結果をもたらしてくれた。3人のライダーすべてを祝福したい。見ごたえのあるレースだった」

第6戦を終了した時点で、ドヴィツィオーゾは合計103ポイントを獲得し、トップと12ポイント差でライダーズランキング2位をキープしている。合計82ポイントを獲得したペトルッチは、ランキング4位に浮上した。マニュファクチャラーズ・ランキングでは、115ポイントのドゥカティは2位となっている。チーム・ランキングでは、合計185ポイントを獲得したMission Winnow Ducatiチームがトップに立っている。

第7戦のカタルーニャGPは、2週間後の6月14日~16日に、スペインのバルセロナ郊外のカタルーニャ・サーキットで開催される。

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カテゴリー: F1 / MotoGP