ホンダ MotoGP 日本
快晴となった第15戦日本GPは、タイトル王手でホンダのホームグランプリを迎えたマルク・マルケス(Repsol Honda Team)がシーズン5勝目を挙げて、2年ぶり3度目のチャンピオンを獲得した。

予選2番手からスタートし、オープニングラップでポジションをキープ。4周目にトップに浮上すると、そのまま後続を振り切って24周のレースを走った。

MotoGP コメント
マルク・マルケス(MotoGP 優勝)
「レース前はチャンピオンになれるなんて思っていなかったので信じられない気持ちです。正直、今大会は不可能だと思っていました。でも、(バレンティーノ)ロッシが転倒したのを見て、優勝に向けて一生懸命プッシュしようと決めました。全力で走りました。そして残り3周で、(ホルヘ)ロレンソも転倒したことをピットボードで知りました。その後は集中力を維持するのが難しく、同じ周で4、5回コーナーでミスをしてしまいました。今回のタイトル獲得は、転倒が多かった昨年のことを考えると、とても特別です。また、Hondaのホームであるもてぎで獲得できたことも特別です。Hondaは一生懸命がんばってくれました。これまで苦戦してきたこのサーキットでその成果を感じました。僕自身もシーズン中に前進することができました。ミシュランのフロントタイヤをうまく使う方法も学びました。今年は難しい年でしたが最高の年になりました。チームや今年亡くなった祖母のためにもすばらしいことでした。きっと喜んでくれていると思います。今はとにかく勝利を喜び、さらに『マルク・マルケス』スタイルで、残りの3戦に挑みたいです」

カル・クラッチロー(MotoGP 5位)
「今日はいいポジションでフィニッシュできましたが、レース中盤にミスをしてしまいました。ハードコンパウンドのフロントタイヤは正しい選択だと思っていましたが、レース序盤は速く走るのがとても難しかったです。そのため終盤まで待つことになりましたが、いつものようにうまくいくと信じていました。しかし、ミスしてコースを外れてしまい、その周で8秒か9秒ロスしてしまいました。それでも力強い結果を出すことができました。表彰台争いができるはずだったので少し残念ですが、チームはすばらしい仕事をしてくれました。シーズン後半に向けて重要な結果になりました」

ティト・ラバト(MotoGP 14位)
「前の2レースがノーポイントに終わっていたので、今回の14位はとてもうれしいです。自分の限界を理解し、完走しようとがんばりました。MotoGPをさらに学ぶためにも本当に集中しました。もてぎで2ポイント獲得しましたが、僕にとっては簡単なサーキットではありませんでした。この勢いを来週末のオーストラリアまで持っていき、引き続き前進したいです」

青山博一(MotoGP 15位)
「昨年のドイツGPに(カレル)アブラハムの代役で出て以来のMotoGPとなりました。今回の仕事は開発ライダーとしてレースを見学すること、そしてタレントカップの指導だったのですが、しっかりとレースの装備を持ってきていました。いつでも参戦できるようにと思っていたのかもしれません。しかし、レースの感覚はすぐには戻らないので、土曜日からの参戦するという状況に最初は戸惑いもありました。久しぶりのレース、それもRepsol Honda Teamで、日本GPというなかなかできない経験の中でプレッシャーもありましたが、完走してポイントを獲得したことにホッとしています。参戦できたことを感謝しています」

ジャック・ミラー(MotoGP リタイア)
「ブレーキングが少し遅れ、1コーナーでフロントエンドから流れてしまいました。レースラインを保とうとしましたが速すぎて、フロントから転びました。スコット(レディング)や(ダニロ)ペトルッチ、(アルバロ)バウティスタ、そして(ステファン)ブラドルがいる集団についていこうと一生懸命プッシュしていました。転倒するまでは、いいバトルができたと思います」

Moto2 コメント
トーマス・ルティ(Moto2 優勝)
「今大会は、ポールポジションを獲得できなかったこと以外は、完ぺきでした。決勝レースではフィーリングがよくて快適でした。終盤はヨハン(ザルコ)に追い上げられ、集中力と速さをキープするのが難しかったです。次のレースでは、彼がレース結果よりもチャンピオンシップのことをもっと考えることを願っています。そうすればもっと楽に戦えるからです。とにかく優勝してチームの期待に応えることができてとてもよかったです」

ヨハン・ザルコ(Moto2 2位)
「スタートでポジションをいくつか落としてしまいました。いいペースで走ることができなかったのですが、僕はライバルたちとは違うタイヤを使っていたので、周回を重ねるごとによくなっていきました。いくつかミスをしましたが、表彰台に上がることができました。終盤、トム(トーマス・ルティ)に追いつくことを願っていましたが、彼のペースはレース全体を通してとてもよかったので、非常に難しかったです。今回の目標は表彰台獲得で、それを達成できたのでうれしいです。また、アレックス・リンスが今週は苦戦していたのでチャンピオンシップリードを広げることができました」

フランコ・モルビデリ(Moto2 3位)
「レース終盤に中上(貴晶)といいバトルができました。何度もオーバーテイクをしました。そして残り数コーナーというところで表彰台を確実にしました。今週はチームがすばらしい仕事をしてくれたのでとてもうれしいです。3連戦の最初のレースとしては、とてもポジティブでした。次はオーストラリアです。また表彰台を狙っていきます」

中上貴晶(Moto2 4位)
「序盤いい位置につけることができました。しかし、(トーマス)ルティがペースアップしていたので、遅れないようにがんばりました。3コーナーでラインを外したときに(ヨハン)ザルコが前に出て差ができてしまいました。追いつける距離ではなくて、それからは(フランコ)モルビデリとの3番手争いになりましたが、ここで仕掛けなければ絶対に後悔すると思い、全力でトライしました。競り負けたことが本当に悔しいですが、昨年とは違う自分の走りをみせることができたと思います。次戦からの3戦、全部勝つつもりでがんばります」

関口太郎(Moto2 22位)
「テレビで見るGPライダーの進入はすごいと思っていましたが、実際に見るのでは大きな違いがありました。同じタイヤを使っているのに、自分が考えたこともない走りをしていました。自分の未熟さを感じました。この参戦で得たものを、これからのレースに絶対に生かしていくつもりです。参戦することができて本当によかったと思っています」

Moto3 コメント
エネア・バスティアニーニ(Moto3 優勝)
「とても難しいレースでした。ビンダーは常にプッシュしていたし、レース終盤にはさらにプッシュしていました。彼とのギャップを縮めるのは大変でしたが、最後の6周は全力で走りました。そして最終ラップに彼に追いつくことができ、11コーナーで彼をパスすることができ、とてもいい気分でした。ブラッド(ビンダー)がストレートでとても速いことは分かっていましたが、その前の周にコーナー出口で少しはらんでいるのを見ていたので、それを最大限利用しようとしました。彼のスリップストリームを使い、ブレーキングでアタックしました。とてもうれしいです。表彰台はいつだってすばらしいですが、優勝は格別です」

ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(Moto3 5位)
「今回も追い上げのレースができたし、トップ10フィニッシュとなりました。とてもうれしいです。少し疲れてスローダウンしなければならないときもありましたが、マシンの状態はよかったと思います。マシンを安定させるためにフットレストに力を入れなくてはならず、疲れました。結果に満足しています。チャンピオンシップにおいて重要なポイントを獲得できました。ルーキー・オブ・ザ・イヤーのトロフィー獲得に向けてがんばります」

リビオ・ロイ(Moto3 7位)
「スタートはそれほど悪くありませんでしたが、転倒を避けるために強くブレーキをかけなければならず、それで5つほどポジションを落しました。僕はソフトリアタイヤを選んだ5人の内の一人です。特にこのタイヤでは序盤に違いを出すことができます。そのため追い上げることができましたが、少なくとも5つのポジションを取り戻すために貴重な時間も使ってしまいました。『もしも』という言葉を使っても意味はありませんが、もしもいいスタートを切って上位のライダーたちについていったらどうなっていただろうかと思います。僕のペースは彼らと同じでした。もしかしたら彼ら以上だったかもしれません。とにかくいいレースでした。常に強さを感じることができました。この結果とレースウイーク全体に満足すべきだと思います。遠征のスタートとしてはよかったです。来週末のオーストラリアが楽しみです」

岡崎静夏(Moto3 26位)
「今回の参戦ではスタッフを増やしてもらい、小原監督がメカニックとしてついてくれました。走り出して、すぐに自己ベストに近いタイムを記録することができたのですが、それからは、どんな風にマシンを仕上げていけばいいのかが分かりませんでした。なにを伝えればいいのかということが分からず、自分がどんなマシンを望んでいるのかということも分かっていませんでした。それが本当に悔しいです。でも、それも参戦することができたから気がついたことだし、しっかり考えて、セッティングができるようになりたいです。成長できたら、また挑戦したいと思います」

尾野弘樹(Moto3 失格)
「スタートがうまくいって、トップ争いができました。タイヤを温存しながら終盤にプッシュして前に出ようと思いました。序盤は辛くて、そのため、トップ争いができなかったことは心残りですが3位になれたし、初めて表彰台に登れたことは本当にうれしかったです。しかし、レース後、着替えているときに失格を知らされ、いただいたトロフィーを持っていかれてしまいました。自分としては、3位になれた充実感もあります。一体なにが起こったのかという気持ちですが、まだレースは続きます。次戦オーストラリアに向けて気持ちを切り替えたいです」

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カテゴリー: F1 / MotoGP / ホンダF1