アウディ WEC 撤退
アウディが、2017年シーズンをもってル・マン24時間レースを含めたWECから撤退するとの噂が本国ドイツで広まっている。

アウディはこの噂について公式にはコメントしていないが、インサイダーによると、アウディは2017年末でLMP1プログラムを終了することに決定したという。

アウディの撤退は、フォルクスワーゲン・グループの排ガス不正問題によるコスト削減によって決定したとされている。

フォルクスワーゲン・グループのコスト削減の結果、アウディとポルシェは2016年のル・マン24時間レースをこれまでの3台体制から2台体制に縮小。2017年も2台体制を継続する。報道によると、両メーカーのシーズン予算は2億ユーロ以上だという。

ル・マン24時間レースでは、アウディとポルシェの戦いが注目を集めているが、フォルクスワーゲン・グループは、最高峰の耐久レースの場で同じグループ内のアウディとポルシェが戦うことにおける財政的な利益に疑いを持っているという。

インサイダーは、毎年ル・マン24時間レースの勝者はひとつだと指摘する。

「たとえどんな方法であっても、我々のブランドのひとつが負けたとみなされる」とインサイダーは述べた。

また、フォルクスワーゲン・グループは、ディーゼル排ガス不正の余波を受け、モータースポーツ環境でディーゼルエンジン技術をもはや示さないという決定を下したとの見方もある。

フォルクスワーゲンは、2025年までに新たな電気自動車を5車種導入する戦略を立てており、開発予算を解放するためにモータースポーツ活動の合理化を目指しているという。

近年、アウディのWECカーはディーゼルハイブリッドを採用しているが、もはや市販車とは直結しないことになる。

「2つのブランドのLMP1戦略の魅力のひとつは、異なるドライブラインコンセプトにあった」トインサイダーは述べた。

「アウディとポルシェの両方に共通のドライブラインコンセプトをもたらすことは、市販車への技術移行を制限させることになる」

アウディのLMP1継続のハードルとなるのは、2018年に導入される新しいレギュレーション。LMP1クラスを戦うメーカーは、10MJとなり、現在3.7リッター V6ディーゼルターボエンジンと6MJの規約で参戦するアウディ R18 e-tronに電気モーターアプリケーションには大幅な改修が必要となる。

アウディは、WECの撤退とともに、DTMの将来についても真剣に検討しているとされ、大幅な改革がなされると可能性があるという。

その一方でアウディはGT3とGT4に力を入れていくされ、またジャガー、メルセデス、BMWといったライバルメーカーが参戦するフォーミュラEに予算がつぎ込まれるという。

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カテゴリー: F1 / アウディ / ル・マン24時間レース / WEC (FIA世界耐久選手権)